| 療安全調査委 警察と裁判に持ち込む前に( |
医師と患者の信頼関係を守り、医療不信を解消するためにも必要な組織だろう。
医療事故死の原因究明と再発防止にあたる新たな機関として、厚生労働省が検討してきた「医療安全調査委員会」の具体案がまとまった。厚労省は法案化し、今国会への提出をめざす。
医療事故については、警察や裁判所に持ち込む前に、まず、中立性と専門性をもった第三者機関で調査した方がいい。早期に発足させるべきだ。
医療は万能ではない。最善と思われる治療を尽くしていても、予期せぬ原因で患者が命を失うことは少なくない。一方で、病院側の信じられないミスで患者が死亡するケースもある。
遺族が両者を見分けることは難しい。現状では、病院側の説明で納得できない場合、民事訴訟を起こすか、警察に刑事告訴するしか方法がない。
訴訟に持ち込まれる医事紛争は年間1000件近くに上り、10年前から倍増している。こうした状況では、病院は落ち度と見られそうな事実を隠しがちで、事故の教訓が再発防止策として生かされることもない。
医療機関と患者・家族が相互不信に陥る現状は不幸であろう。納得できる説明を聞きたい、という遺族の思いに応えつつ、かつ、医師がみだりに訴えられないような仕組みが要る。
厚労省が構想する医療安全調査委は、中央と地方ブロックごとに設置する。メンバーは医師だけでなく、法律家や他分野の有識者も加え、中立性を図る。
予期しない形で患者が死亡した場合などに、医療機関から調査委への届け出を義務づけ、遺族からの調査依頼も受け付ける。
調査委は、個人情報に配慮しつつ報告書を公表し、再発防止策を提言する。故意や重大な過失で死亡させたケースや、カルテの改竄(かいざん)など不正が見つかった場合に限り警察に「通知」する。警察は調査委を尊重し、通知の有無を踏まえて対応する。
報告書で病院側の過失の有無や度合いが明らかになれば、訴訟に至る前に、謝罪や賠償の話し合いも速やかに進むだろう。
だが、医師と患者の双方から、中立・公正な機関として信頼されるものでなければ機能しない。
医療機関が調査委へ届けるべき事例の範囲や、警察に通知するケースなど、さらに詳細を詰める必要がある。
読売新聞
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| 生活保護世帯の家賃・給食費、滞納防止へ「天引き」促す |
生活保護費として支給された学校給食費、公営住宅家賃、介護保険料の一部が納付されていない実態が会計検査院の調べでわかった。05、06年度の2年間分について、全国の約1割の福祉事務所でサンプル調査した結果、給食費の未納者は3割を超え、家賃や保険料と合わせると計5億5000万円になる。検査院の指摘を受けた厚生労働省は都道府県などに対し、福祉事務所による代理納付制度の活用などを求めた。しかし、代理納付は事実上の差し押さえになるため、100万を超える生活保護費受給世帯への影響は大きく、導入には慎重な意見もある。
生活保護費の一部である給食費や家賃などは、受給者が必要とする金額の実費を福祉事務所が支給し、受給者本人が納付するのが原則となっている。一方、代理納付は、福祉事務所が「天引き」し、本人に代わって支払う制度で、06年4月から受給者の同意を得なくても事務所の裁量で実施できるようになった。
検査院は、全国1242の福祉事務所のうち、約1割の126カ所で抽出調査を実施し、教育扶助の一部として学校給食費を受給している5600人、住宅扶助を受けて公営住宅に入居している9万世帯、生活扶助に介護保険料加算を受けた15万人について調べた。
その結果、学校給食費は32.1%にあたる1800人が総額4200万円を、公営住宅家賃は9.7%の8800世帯が同4億4900万円を、介護保険料は4.5%の6800人が同6500万円をそれぞれ納めていなかった。厚労省は「何に流用されているかは調査をしないとわからない」という。
検査院は厚労省に対し、徴収する学校や担当部局と福祉事務所との連携が不十分だったため、納付状況が把握できておらず、指導も行き届いていなかったと指摘。必要に応じて代理納付制度を活用するよう求めた。
これを受け、同省は今月5日付で各自治体に制度の活用などを求める通知を出した。代理納付の実施状況についても調査を始める方針だ。
朝日新聞
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| 医療保険のリハビリ日数緩和、狭心症など延長可能に |
厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、会長・土田武史早大教授)は14日昼、医療保険によるリハビリテーションの日数制限の緩和を柳沢厚労相に答申した。急性心筋梗塞(こうそく)などを新たに制限の対象外とするほか、40歳未満の患者がより長くリハビリを続けられる仕組みを新設する内容だ。
厚労省は、答申を踏まえた新たな措置を4月から実施する。
医療保険のリハビリは現在、保険適用の対象となる日数が、脳、心臓、呼吸器、運動器の4タイプの患者ごとに90日〜180日に制限されている。ただ、筋委縮性側索硬化症(ALS)や悪性関節リウマチなど約50種類の特定疾患は、日数制限から除外されている。
答申では、急性心筋梗塞、狭心症、慢性閉そく性肺疾患の三つの疾患を、新たに日数制限から除外するとした。これらの特定疾患以外の患者でも、医師が改善の見込みがあると判断した特別な場合は、リハビリの延長を認める。ただ、制限を超えたリハビリには、医師に実施状況と計画書を提出して継続の理由を明らかにするよう求めることとし、歯止めをかけている。
さらに、40歳未満の患者については、診療報酬に「リハビリテーション医学管理料」という項目を新設し、医療保険による機能維持のためのリハビリを日数制限を超えて続けられるようにした。介護保険の対象外であるため、医療保険によるリハビリの終了後に介護保険を使って継続する方法が取れない現状を改めるのが目的だ。
一方、今回の見直しで医療費が膨らむのを防ぐため、日数制限に近い80日〜140日に達した場合、診療報酬を2割弱、減額する規定も盛り込んだ。8割前後の患者が日数制限の上限より前に回復している実態を踏まえ、必要以上に長いリハビリを防ぐ狙いがある。
中医協の実態調査では、心臓、運動器患者の1割近く、脳、呼吸器患者の2、3%で、改善の余地があるのに日数制限によってリハビリが打ち切られていた。40歳未満であるなどの理由で、介護保険のリハビリが受けられない患者も1、2%いた。
厚労省はこうした事情を踏まえて「緊急の対応が必要だ」と判断し、2008年度に予定される診療報酬改定をリハビリ関連に限って1年前倒しする異例の措置をとることにした。
読売新聞
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| リハビリ日数制限緩和へ、医師判断で延長も…厚労省 |
厚生労働省は12日、医療機関のリハビリテーションの日数制限を見直し、医師が引き続き回復が見込めると判断した場合は、期間の延長を認める方針を固めた。
近く中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に諮問し、2007年度から実施する。中医協が12日公表した実態調査で、改善の見込みがあるのに日数制限が理由でリハビリを打ち切られる「リハビリ難民」の患者が複数見つかったためだ。
日数制限は、06年度の診療報酬改定で新設された。中医協の調査は、〈1〉運動器(骨折など)〈2〉心大血管疾患(急性心筋梗塞(こうそく)など)〈3〉呼吸器(肺炎など)〈4〉脳血管疾患(脳卒中など)――の4タイプの患者計2651人を調べた。「身体機能の改善の見込みがある」にもかかわらず、リハビリが打ち切られた患者は、最多の運動器タイプで9・8%(55人)に上った。心大血管疾患7・3%(19人)、呼吸器3・0%(4人)、脳血管疾患2・2%(7人)と、全タイプで打ち切りが見つかった。医療保険の対象となるリハビリの日数制限は、タイプにより180日〜90日間と異なる。
厚労省は「改善の見込みがない患者」でも、リハビリの終了後、介護保険を利用した通所リハビリなどで、身体の状態維持を勧めていた。だが、調査では、「年齢が若すぎる」などの理由で介護保険の対象外となった患者が、運動器タイプで2・1%(12人)、心大血管疾患1・2%(3人)、脳血管疾患0・9%(3人)に上った。
現行制度でも、筋委縮性側索硬化症(ALS)など約50種類の特定疾患は、医師の判断でリハビリ日数の延長を認めている。厚労省は、特定疾患の対象拡大や、介護保険の対象外となった患者に、医療保険によるリハビリを認めるなどの見直しも検討する考えだ。
読売新聞
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| 精神障害者の退院支援施設、4月から導入 厚労省 |
厚生労働省は、精神科病院に長期入院している患者の社会復帰策として、医療機関が病棟を改装して生活訓練を行う「退院支援施設」へ転用できる制度を、4月から実施する。昨年10月の実施予定を障害者団体の強い反対で見送っていたが、新施設側に地域の支援団体などと十分な連携をとることを条件に、新制度を導入することにした。しかし、障害者団体は9日、記者会見し「受け入れ態勢がない地域は多く、長期入院が続く」と反対姿勢を強めている。
厚労省は、全国の精神科病院に入院する32万人のうち、地域で生活する場がなく入院を余儀なくされている約7万人を12年度までに退院させる計画だ。しかし、グループホームなど地域での受け皿づくりが住民の反対などで進まず、「病院から地域への橋渡しをする施設が必要」として、退院支援施設をつくることにした。
この施設では、患者が入所し、2〜3年かけて生活能力を高めたり、職業訓練を受けたりして、地域での自立を目指す。ただ、引き続き医師の監督下に置かれ、施設と精神科病院との間で入退院を繰り返し、地域移行が進まないことが懸念されている。
この日会見した精神障害者の支援グループ「こらーるたいとう」の加藤真規子代表は「病院に補助金を出して施設をつくるより、公営住宅への優先入居やグループホームの建設など地域の態勢整備にもっと力を入れるべきだ」と批判した。
朝日新聞
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| 「医療事故調」の報告公表 医療機関に還元 厚労省試案 |
医療中の死亡事故の原因究明を行う医療版「事故調査委員会」設置に向けた厚生労働省の試案が8日、明らかになった。臨床医や弁護士らで構成する調査・評価委員会(仮称)を国か都道府県に設置。聞き取り調査を実施し、臨床経過などを評価したうえで作成する調査報告書は公表する。調査結果を医療機関に還元することで、再発防止を図る狙いだ。4月にも立ち上げる有識者検討会で、医師法改正を含めた制度設計を進める。
試案では、医療機関に対して死亡事故の届け出の義務化を検討。届け出を受けた調査・評価委員会が、解剖やカルテ調査、関係者の聞き取りなどによって死因を調べ、臨床経過や診療行為などを評価する。作成した調査報告書は、医療機関と遺族に渡すとともに、個人情報は伏せて公表する方針だ。
報告書で医療機関側の過失責任が指摘された場合には、国が速やかに行政処分を下す仕組みを設けるとともに、報告書を民事訴訟や刑事訴訟に活用する仕組みも検討する。
このほか、遺族からの申し出を受けて調査を実施することや一定規模以上の死亡事故以外も調査対象とすることなども検討対象とする。
この試案は9日、自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」(座長・大村秀章内閣府副大臣)と社会保障制度調査会医療委員会の合同会議に示される。
朝日新聞
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| 障害者自立法施行『採算合わぬ』 |
社会福祉協議会が、九月末で障害者の外出を援助する移動支援事業から撤退したことが、二十五日分かった。市内で同事業をしていた十九の事業者で撤退したのは同社協だけ。同法施行で事業が区市町村の裁量に任された結果、報酬単価の引き下げなどによる撤退事業者の増加も懸念されていたが、「地域福祉の中核的役割を担う社協が真っ先に投げ出すなんて…」と福祉団体から批判も上がっている。 (中沢誠)
一九九〇年から移動支援事業を手掛けてきた同社協が、市側に撤退の意向を示したのは八月下旬。同法全面施行に伴い、事務作業が煩雑化し負担が増える▽採算性が合わない▽ガイドヘルパーの確保が難しい−というのが理由だった。
財源の半分を市の補助金と委託費で賄う社会福祉法人で、地域福祉推進の中核でもあるだけに、同社協の星長助事務局長は「認識が甘いと言われても仕方がないが、現実的に考えれば継続は困難。民間が育ち、社協は(移動支援の)役割を果たしたという判断もあった」と説明する。
しかし、突然の撤退で、同社協の移動支援事業を利用していた視覚障害者七人(九月末現在)のうち、現在も二人の受け入れ先が未定。その一人の五十代の男性は「一方的に打ち切りを決めてフォローもない。十五の事業者を回ったが、以前のようなサービスを受けられるところが見つからず病院にも行けない」と憤る。
障害者支援組織「東大和障害福祉ネットワーク」は十三日、利用者のサポートや社協の体制見直しを求め、尾又正則市長へ要望書を提出した。同ネットワークの海老原宏美代表は「苦しいのはどの事業者も同じ」と批判する。
同事業が区市町村の裁量に任され、報酬単価の引き下げなどに伴い苦境に立つ事業者も多いとみられ、川崎市では約百二十の事業者のうち二十前後が撤退したという。しかし、全国社会福祉協議会によると、社協については「今のところ、ほかに撤退したところは聞いていない」としている。
世界規模の障害者団体の国内組織「DPI日本会議」、尾上浩二事務局長は「移動支援は報酬単価が低いうえ、利用が不定期でヘルパーの確保が大変なことから事業者は敬遠しがち。手を引く事業者は今後もますます増えると予想される。社協の役割からして、こうした事業こそカバーすべきだ」と主張する。
<メモ>移動支援 ガイドヘルパーを派遣するなど身体、視覚、知的、精神障害者の外出を支援し、社会参加を支えるサービス。今月、障害者自立支援法の全面施行に伴い、地域生活支援事業に組み込まれた。事業者の報酬単価や利用者負担などは市町村の裁量に委ねられ、実情に沿った柔軟な対応が可能となった。東京都杉並区では身体介護を伴うサービスを1時間4000円、伴わないサービスを同2400円と報酬単価がアップしたが、広島市では一律1時間1500円と大幅減額になるなど、自治体間の格差も生まれている。従来に比べ負担が増えた事業者は多く、事業撤退やサービス低下が懸念されている。
東京新聞
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| 健康保険証:カード型には二次元バーコード義務付け |
厚生労働省は健康保険組合などの医療保険運営者に対し、08年度以降に健康保険証を世帯単位の紙タイプから個人単位のカード型に切り替える場合、保険証に二次元バーコードを印刷するよう義務付ける。バーコードには患者情報を記録でき、医療機関が氏名を誤ってレセプト(診療報酬明細書)に記入するといったミスを防げるという。10年度にはすべての保険証を個人単位化し、バーコードを添付させる。
二次元バーコードは縦、横2センチ程度で、加入者の保険証番号、氏名、性別や生年月日、血液型などを書き込む予定。政府は11年度当初に医療機関がオンラインでレセプトを提出できるシステムを構築する方針で、新保険証と連動させれば保険証の期限切れも即座に把握できるという。将来は患者の治療情報を集積し、どんな医療機関にどんな患者がかかっているのかといった分析をすることも視野に入れている。
二次元バーコードの添付は、保険証の個人単位化とセットで進める。個人単位化は01年度に健康保険法の細則で定められ、中小企業中心の政府管掌健康保険は03年度からカード型へ移行した。しかし、同法は旧式保険証の交付も認めたため、市町村の国民健康保険や、大企業中心の健康保険組合では依然8割近くが世帯単位の旧式だ。旧式では家族が同時に別の医療機関で受診する際に不便なため、厚労省は保険証を1人に1枚ずつ交付し、受診しやすくすることも目指す。
毎日新聞
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| フィリピン人看護師がやって来る |
過酷な労働条件で人手不足が深刻な看護師や介護士に、フィリピン人を一定の条件で受け入れることが決まった。フィリピン、日本両国の期待と不安は−−。
◇受け入れを見越し育成、国内人材に影響の声も
「私たちがやってきたことは、正しかった」
フィリピン南部ダバオ市にある「ミンダナオ国際大学」。ニエト・ラトレ・ビト学長(56)は胸を張る。同大は02年、特定非営利活動法人(NPO)「日本フィリピンボランティア協会」の協力で創立。日本の外国人介護労働者受け入れを見越して福祉学部を設け、日本語学習も取り入れた。
英語のできるフィリピン人看護師はすでに欧米で大勢が活躍している。福祉学部4年のマーチェン・メイ・サラグステさん(20)は「日本の介護技術を身につけ、将来はフィリピンで高齢者介護の仕事をしたい」と日本語と英語で語る。
受け入れは、日本とフィリピンが9月初めに調印した経済連携協定(EPA)に盛り込まれた。フィリピンは、国民の10人に1人が海外に出て働く「海外出稼ぎ大国」だ。
一方、日本は昨年12月に厚生労働省が発表した看護職員需給見通しによると、全国の病院などが必要とする看護職員は今年約131万4000人で、約4万2000人が不足する見込み。2010年でも約1万5000人の不足が見込まれる。
両国の思惑が一致したかに見える協定だが、介護ヘルパーらで作る「ホームヘルパー全国連絡会」(東京都)の森永伊紀事務局長は「安価な労働力としてフィリピン人が使われると、日本人を含めたヘルパー全体の労働条件が下がらないか」と心配する。現場でも日本社会での生活体験が限られる外国人労働者の定着に懐疑的な意見は強い。
協定では、日本の国家資格を取得するためフィリピン人の看護師に3年、介護士に4年の就労を許可し、入国後には6カ月の日本語研修も義務づける。
この条件に、不安や不満をもらすフィリピンの関係者は多い。95年からボランティアを続ける助産師のルース・レスマーさん(34)は「問題は言葉。薬の説明書を正しく理解できるか、電話で救急車を呼んだり、病状を正確に伝えられるか」と話す。
こうした不安を取り除くため、日本の高齢者や介護の必要な人をフィリピンで受け入れ、現地ヘルパーが介護する試みも6月から始まった。8〜9日間で費用は20万〜25万円ほど。参加者の一人で15年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、24時間介護が必要な東洋大元教授の池田正敏さん(65)は9月、再びダバオを訪れた。「フィリピンの理学療法士は患者の能力を最大限、引き出そうする。通りいっぺんの日本のリハビリとは大違いだ」と話している。
毎日新聞
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| 生体肝移植:「途中辞退」の権利、4割記載せず−−医療機関のドナー説明文に厚労省が調査 |
健康な人が肝臓の一部を提供する生体肝移植で、実施医療機関の約4割が、提供者(ドナー)への説明文書で、提供の意思を示した後、いつでも中止する権利があることを記載していないことが、厚生労働省の研究班(班長=里見進・東北大教授)の調査で分かった。事態を重視した日本肝移植研究会は、同研究班が試作した「自己点検シート」を各医療機関へ配布し、ドナーの意思確認の徹底を求めていく。【永山悦子】
生体肝移植は、家族や親族間で行われるケースが多い。特に法令による基準はないが、ドナーの判断で断念することも当然の権利とされている。
調査は、全国の生体肝移植を実施している56医療機関を対象に実施し、提供者に説明する際に使っている資料の送付を求めた。回答は41施設からあった。
資料を分析した結果、提供を途中で辞退する権利があることについて、資料に記載されていたのは59%(24施設)にとどまり、不徹底さが浮き彫りになった。
このほか資料への記載率が低かったのは「移植のおおまかな流れ」(17%)、「傷や痛み」(12%)など。逆に記載率が高かったのは、「術後の合併症と治療」(93%)、「入院期間」(76%)などだった。
日本肝移植研究会が04年にまとめた調査では、提供者の半数近くが術後に傷口のまひなどの自覚症状を訴えている。
研究班が試作した点検シートは、肝移植に関する理解や移植の意思を再確認することを目指すもので、手術に要する期間や体調への影響、提供者の精神状態、周囲の理解、相談相手の有無などをチェックする内容になっている。
里見班長は「辞退の権利や術後の体調について、口頭ではどの施設でも伝えていると思う。しかし、提供者は家族や親族を救う立場にあるため、精神的に高ぶっている可能性がある。疑問やわだかまりを解消し、冷静に判断するため、点検シートを活用してもらいたい」と話している。
毎日新聞
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