治療百家 健康ブログ
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<近見視力>大丈夫? 黒板見えても教科書見づらい
 ◇学習に集中できない、疲れる ◇「就学する前に検査の機会を」

 「近見視力」という耳慣れない言葉を聞くようになった。近くを見るのに必要な視力で、読書、筆記、パソコン作業などに欠かせないものだ。今、学校で義務付けられているのは黒板の文字を見るのに必要な「遠見視力」の検査で、これが良好でも、近見視力も大丈夫とは限らない。気づかずに放置すると、勉強などの集中力が続かないだけでなく、視力が発達せず弱視になる恐れもある。

 「小さなドーナツがあるね。ねずみさんがかじった場所はどこ?」−−。大阪府和泉市の私立和泉緑ケ丘幼稚園は先月、市内の桃山学院大法学部から高橋ひとみ教授(健康教育学)らを招き、年長組120人の近見視力を検査した。

 検査は、アルファベットのCのような形(輪)が1枚に一つ印刷されたカードを使う簡易式。30センチ離し、輪の切れ目の位置を答えさせる。輪の大きさは大中小3通り。1時間15分で検査は終わり、読書に支障があるとされる視力0・8未満の子が4人見つかった。

 奥野宏園長は「園ではひらがなを書く練習をしているが、近くが見えにくい子がいても気づきにくい。検査は時間もとらないので、来年も実施したい」と話す。

 高橋教授は20年前から、和泉市周辺の幼稚園や小学校で近見視力を調べてきた。その結果、片目で近見視力が0・8未満の子が小学校低学年で2割を占める学校もあったという。

 幼稚園の保護者への調査では、視力不良の疑いがあるとされる近見視力1・0未満の子は1・0以上の子に比べ、「本に目を近づける」「形を写すのが苦手」などの回答も多かった。高橋教授は「漢字を正しく書き取れなかったり、目の疲れで授業に集中できない子もいる。早期に気づけば、眼鏡などで矯正も可能」と訴える。

 奈良市では、養護教諭のグループが5年前に勉強会を開き、これまでに市内の小学校6校で検査を行った。

 「パソコンの普及などで、子どもの目に対する関心は高い。保護者に検査を求められた教員もいて勉強会を開いた」。グループの一人で小学校教員の吉岡宏美さんは取り組みについてこう話す。

 近見視力が不十分で学習時に疲れやすい子がいることも分かったが、学校行事などで検査時間をとるのが難しく、定期的に行っている学校はないという。

 文部科学省は「学会などから統一見解が出れば検討対象にはなる」(学校健康教育課)と話すものの、健康診断で義務付ける予定はない。高橋教授は「就学前健診で簡易検査の機会を作って」と提案している。

 
 生まれた時、目の機能は未発達で、大抵は遠視だ。数年で急速に視力が発達し、5、6歳で大人とほぼ同じに見えると考えられている。

 近くが見えにくい場合、遠視、遠視性乱視、(より目状態の)内斜視などの可能性が考えられ、眼科専門医で調べる必要がある。放置すれば、視力が発達せず屈折性弱視になる可能性がある。ただ眼鏡などを使えば、9〜10歳までなら矯正可能だ。

 近見視力が不十分でも多少は筋力で調節できるが、無理が続けば子どもも眼精疲労になり、遠見視力まで落ちかねない。生活環境が変化した今、子どもの目は、近見視力、視野など、多面的にチェックする必要がある。

毎日新聞
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